生きていくには仕事は必須です。
仕事をやるうえではモチベーションがかなり重要だと思います。
モチベーションが保てないと能率が悪くなり、結果的に収入や出世にも悪影響を及ぼします。
そして社員のモチベーションを上げる為に経営者がやりがちなことがあります。
それは「社員の給料を上げる」ということです。
今回は社員のモチベーションはお金で解決できないということについて話します。
こちらの記事は動画でも視聴できます。
ラジオ代わりや作業用BGMとして利用しても構いません。
目次
モチベーションは短絡的ではない
まず初めにモチベーションを上げることはそんな短絡的ではありません。
冒頭でも話したとおり、社員のモチベーション(やる気)を上げようとする時にお金で解決しようとする考えが一般的な施策として存在します。
実際、サラリーマン時代に働いていて
「もっと給料上がれば頑張るのになぁ」と思っていた時もありました。
会社の人事も実際そう思っていたからこその施策であることは間違いないでしょう。
ただしそんな簡単な話ではなく、
実はそれはモチベーションを上げる為の正しい施策ではないと考えます。
ハリー・ハーロウ氏の学習実験
エドワード・デシ氏のパズル実験
がそれを示しているので紹介します。
ハリー・ハーロウの学習実験
ハリーハーロウ氏は複数のサルを用いて2週間にわたる学習実験を行いました。
それは3つの手順によって仕掛けのある装置を解いていくという実験です。
日が経つにつれサルは学習していき、仕掛けを解くまでに成長しました。
次に同じ実験で、解いたサルに報酬として餌を与えたところ、
そのサルは前よりも間違うようになり成功率が低くなったのです。
これは報酬を与えることが結果的に逆効果になったということです。
エドワード・デシのパズル実験
エドワードデシ氏は大学生を2つのグループA,Bに分けてパズルを組み立てる実験を行いました。
3日間で各1時間の実験で、途中で8分間の休憩時間を設け、休憩時間も継続してパズルに取り組む時間を観察したのです。
これはパズルにどれだけ本気で取り組んでいるかを図る為です。
ちなみに使用しているパズルはソマ・パズルという立体パズルです。
1日目はA,Bグループ共に普通にパズルを取り組んでもらいます。
2日目にはAグループだけパズルを成功できるたびに金銭的な報酬を与えます。
3日目は1日目と同様にパズルを報酬無しで取り組んでもらいます。
Aグループは2日目だけ成功の度に報酬がもらうことができ、
Bグループは特に報酬はなくパズルをするだけということです。
実験の結果どうなったかというと、
Aグループの3日目は、Bグループの3日目と比べ休憩時間のパズルへの興味が1分弱ほど短くなったのです。
これは報酬が無くなったことによりパズルへの興味が無くなったことを意味します。
この実験は複数回行ったようですが、どれも結果は同じだとのことです。
こちらの実験でも報酬が逆効果になっています。
部下のモチベーションを上げる施策
紹介した実験からモチベーションはお金で簡単に上がるわけではなく、
むしろモチベーションを下げてしまう原因になる可能性があることがわかります。
モチベーションは実はお金ではないところにあるのではないでしょうか。
私の思うモチベーションを上げる為の行動は3つだと考えます。
・適切な雇用環境
・褒める
・達成、完成させる
この3つだと思う理由について説明します。
適切な雇用環境
人間の基本的な欲求に生活環境に対する「安全欲求」が存在します。
主に、合法な雇用契約、見合った労働時間、安全な環境、など
まずはそれを満たすことがモチベーションの向上に繋がる基礎になります。
安全な環境というのは物理的以外でもハラスメントなど人と人との部分も存在します。
褒める
これは「承認欲求」を満たす行動です。
社員のスキルアップや日頃の感謝をしっかりと伝えることが大事です。
頑張りを認識していることを伝える方が間違いなく効果的です。
褒めるというのは不安を解消してあげることもできます。
表彰会などの定期的に称える機会を設けるのはありだと思います。
達成・完成させる
しっかり「自己実現」をさせてあげることが大事です。
ただし注意して欲しいのは、
いきなりきついノルマを与えるのではなく少しずつステップアップさせるようにすること。
かといって、与えられたミッションが簡単すぎれば自己実現にはならず、やりがいが失われてしまいます。仕事量や難しさのバランスが重要です。
自分にしかできない仕事だと思わせる内容にするのもモチベーションの維持に繋がります。
最後に
実験も踏まえて説明しましたが、
高い給料やボーナスを与えることはモチベーションを上げる根本的な策にはならず、
しっかりとした環境や、さまざまな欲求を満たして上げることが、
一番重要なのではないでしょうか。